サポートされる Yum ベースのプラットフォーム (リストについてはセクション2.5.1「MySQL Yum リポジトリを使用して MySQL を Linux にインストールする」を参照してください) では、MySQL Yum リポジトリを使用して、サードパーティーの MySQL 配布を MySQL からの最新の GA リリースに置換できます。サードパーティーの MySQL 配布がインストールされた方法によって、手順が異なります。
ネイティブのサードパーティーの MySQL 配布の置換
サードパーティーのMySQL配布をネイティブソフトウェアリポジトリ (つまり、ご自分の Linux 配布で提供されたソフトウェアリポジトリ) からインストールした場合は、次の手順に従います。
データベースのバックアップ
データの損失を避けるため、MySQL Yum リポジトリを使用して MySQL インストールを置換する前に、必ずデータベースをバックアップしてください。データベースのバックアップの方法については、第7章「バックアップとリカバリ」を参照してください。
MySQL Yum リポジトリの追加
Adding the MySQL Yum Repositoryに記載の説明に従って、MySQL Yum リポジトリをシステムのリポジトリリストに追加します。
Yum アップデートでのネイティブのサードパーティーの配布の置換
設計により、yum updateまたはyum update mysql-serverコマンドをシステムで実行すると、MySQL Yum リポジトリはネイティブのサードパーティー MySQL を置換します。
Yum リポジトリを使用して MySQL を更新したあとも、古いバージョンの共有クライアントライブラリを使用してコンパイルされたアプリケーションは機能するはずです。しかし、アプリケーションを再コンパイルして、更新されたライブラリに動的にリンクする場合は、特に考慮するべき点についてUpgrading to the Shared Client Librariesを参照してください。
ネイティブ以外のサードパーティーの MySQL 配布の置換
サードパーティーのMySQL配布をネイティブでないソフトウェアリポジトリ (つまり、ご自分の Linux 配布で提供されていないソフトウェアリポジトリ) からインストールした場合は、次の手順に従います。
データベースのバックアップ
データの損失を避けるため、MySQL Yum リポジトリを使用して MySQL インストールを置換する前に、必ずデータベースをバックアップしてください。データベースのバックアップの方法については、第7章「バックアップとリカバリ」を参照してください。
Yum による、サードパーティーのネイティブでないリポジトリからの MySQL パッケージの受信を停止
MySQL をインストールするために MySQL Yum リポジトリを使用する前に、システムがサードパーティーのネイティブでない Yum リポジトリから MySQL パッケージを受信するのを停止する必要があります。
たとえば、MariaDB をそのソフトウェアリポジトリからインストールした場合は、次のコマンドを使用して、インストール済みの MariaDB パッケージのリストを取得します。
shell> yum list installed mariadb\*
コマンドの出力例を次に示します。
MariaDB-common.i686 10.0.4-1 @mariadb MariaDB-compat.i686 10.0.4-1 @mariadb MariaDB-server.i686 10.0.4-1 @mariadb
コマンド出力から、インストール済みのパッケージ (
MariaDB-common
、MariaDB-compat
、およびMariaDB-server
) およびそのソース (mariadb
という名前のネイティブでないソフトウェアリポジトリ) を特定できます。別の例として、Percona をそのソフトウェアリポジトリからインストールした場合は、次のコマンドを使用して、インストール済みの Percona パッケージのリストを取得します。
shell> yum list installed Percona\*
コマンドの出力例を次に示します。
Percona-Server-client-55.i686 5.5.39-rel36.0.el6 @percona-release-i386 Percona-Server-server-55.i686 5.5.39-rel36.0.el6 @percona-release-i386 Percona-Server-shared-55.i686 5.5.39-rel36.0.el6 @percona-release-i386 percona-release.noarch 0.1-3 @/percona-release-0.1-3.noarch
コマンド出力から、インストール済みのパッケージ (
Percona-Server-client
、Percona-Server-server
、Percona-Server-shared
、およびpercona-release.noarch
) およびそのソース (percona-release
という名前のネイティブでないソフトウェアリポジトリ) を特定できます。どのサードパーティーの MySQL フォークをインストールしたかはっきりしない場合は、このコマンドでそれがわかります。インストール済みの RPM パッケージおよびパッケージを提供しているサードパーティーリポジトリがリストされます。
shell> yum --disablerepo=\* provides mysql\*
次の手順は、Yum がサードパーティーのネイティブでないリポジトリからパッケージを受信するのを停止することです。使用しているプラットフォームでyum-config-managerユーティリティーがサポートされている場合は、たとえば MariaDB では次のコマンドを使用できます。
shell> sudo yum-config-manager --disable mariadb
また、Percona では次のコマンドを使用します。
shell> sudo yum-config-manager --disable percona-release
/etc/yum.repos.d/
ディレクトリにあるリポジトリファイルの 1 つに存在するソフトウェアリポジトリのエントリを削除することで、同じタスクを実行できます。MariaDB での通常のエントリを次に示します。[mariadb] name = MariaDB baseurl =[base URL for repository]gpgkey =[URL for GPG key]gpgcheck =1
エントリは通常、MariaDB では
/etc/yum.repos.d/MariaDB.repo
にあります。ファイルを削除するか、そのファイルから (またはエントリが見つかったファイルから) エントリを削除します。注記Yum リポジトリリリースパッケージ (Percona など) を使用して構成されたインストールでは、次の手順 3 の Percona のアンインストールコマンドのように、リリースパッケージ (Percona の場合
percona-release.noarch
) を削除する予定である場合は、この手順は不要です。ネイティブ以外のサードパーティーの MySQL 配布のアンインストール
MySQL百胜リポジトリを使用してMySQLをインストールする前に,ネイティブでないサードパーティーの MySQL 配布をアンインストールする必要があります。前記の手順 2 の MariaDB パッケージの場合、次のコマンドでアンインストールします。
shell> sudo yum remove MariaDB-common MariaDB-compat MariaDB-server
前記の手順 2 の Percona パッケージの場合:
shell> sudo yum remove Percona-Server-client-55 Percona-Server-server-55 \ Percona-Server-shared-55.i686 percona-release
MySQL Yum リポジトリを使用する MySQL のインストール
次に、セクション2.5.1「MySQL Yum リポジトリを使用して MySQL を Linux にインストールする」に示す手順に従って、MySQL を MySQL Yum リポジトリを使用してインストールします。
重要サードパーティーの MySQL 配布を MySQL Yum リポジトリからの新しいバージョンの MySQL に置換する場合は、サーバーの起動後にmysql_upgradeを実行して、古いデータとアップグレードされたソフトウェアとの間の非互換性をチェックし、あれば解決します。mysql_upgradeはその他の機能も実行します。詳細は、セクション4.4.7「mysql_upgrade— MySQL テーブルのチェックとアップグレード」を参照してください。
EL7 ベースのプラットフォームの場合:Compatibility Information for EL7-based platformsを参照してください。